天空の宿『山暖簾』
天空の宿というキャッチフレーズと黒川紀章氏監修の建築物に誘われて出かけた。長崎県北部、北松浦半島、佐世保市世知原町にその宿はある。県北最高峰の国見山(777m)の渓谷沿いに位置しており標高350m。一帯は県立自然公園に指定され、自然との融合をコンセプトにデザインされている。コンクリートと曲線をもった屋根が山々に溶け込んで、。正面には山々の稜線が続いている。
部屋に入ると「○○様、おかえりなさい 山暖簾へ。春の花々小鳥のさえずり、世知原の春をお楽しみ下さい。」と手書きのハガキが応接台にあった。後にも先にも初めて宿に着いて「おかえりなさい」といわれた事はない。それだけお客様を大事にするリピーターの多い宿なのだと感じた。
部屋は木材をふんだんに使ったスッキリとした空間で、大きなガラス面からは遠くに山々が見え、まるで額縁の中の絵画だ。温泉の露天風呂にもガラス戸があり、山の景色がすっぽり額縁に入り、黒川の思いが感じられる。
夜明け前の山々の眺めは時々刻々と色が移り変わり、はるか昔の明かりの無かった時代に思いを馳せる。
運営は第三セクターであるが、接客も役所臭さは見られない。また、施設は綺麗に清掃され、さりげなく花が挿してある。料理も美味しく、すべてにおいて満足できた。
もちろん私も、リピーターになるのでしょう。(勉)
『山暖簾』ホームページより
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