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2020年10月

2020年10月30日 (金)

『K氏と津軽三味線』

 青森で一晩に1m以上もの降雪に出会った事がある。それは、元同僚であるK氏の「津軽三味線を聞きに行こう。」に始まった。雪が降り始めた盛岡から高速道路でかけつけた時のことである。降り始めといっても、うっすら雪は積もっていた。鹿児島では、多分通行止めかなと思う。高速道路は、どの車も制限速度ぎりぎりで何事も無い様に普通に走っているのにビックリ。K氏曰く、「東北は装備(タイヤ)が違うのだよ。」と、教えてくれるが、いつスリップするか不安で、スピードを落としてとお願いするが、「大丈夫だよ。」それより流れに乗って走ったほうが良いと取り合ってくれなかった。30分もたつとあまり恐怖心は無くなってきたが。

 青森は、K氏が若かりし頃、転勤で居住していた懐かしい場所であった。その中でも、津軽三味線の民謡酒場「甚太古」が贔屓で、私を連れて行くというのである。店は姉妹でやっており、お姉さんが三味線、妹さんが唄を歌いとても素晴らしい演奏との前宣伝であった。津軽三味線の名人、高橋竹山の一番弟子だったと聞いた。

 夕方「甚太古」に到着したが、当日は、三味線のお姉さんが知人の棟上げ式に呼ばれ遅くなるらしいとの事であった。客は3人で、私どものほか1人は奇遇にも鹿児島からのお客さんでビックリした事を思い出す。帰って来られるまで待つ事になった。

ほろ酔い機嫌で帰って来られたお姉さんが、私達が待っていた事をとても喜んで、何曲も何曲も津軽民謡を弾いてくれた。翌日、目覚めると1mもの雪が待っていた。 

二年前、再訪し当時を懐かしんだが、昨年末に高齢のため店を閉めたと報道で知った。

残念!!

 そのK氏も28日、七回忌を迎えた。懐かしくあのひと時を思い出す。合掌。(勉)

2020年10月27日 (火)

『金木犀の頃』

 どこからか漂ってくる馥郁とした香りの「金木犀」の時季となった。良い香りのする花木は色々あるが、好きなのはロウバイ、クチナシ、金木犀などで自宅の庭にも植えた。この時季は「金木犀」が最高だ。かすかな香りが風に漂ってくる。幸せがやってくる予感のする香りだ。

 かつて、農家では、子供達も農作業を手伝うのが普通だった。「金木犀」の香りのする頃は、芋掘りや米の刈取りなど一番忙しい頃でもあった。収穫から帰ってくるのを待っていたかのように芳しい香りで包んでくれた。

 実家の玄関脇に植えられている「金木犀」は、4m程になる大木で、樹齢70年以上の老木である。正月やお盆の親戚の集まりには、必ず集合写真の場所となっていた。「金木犀」はいつも傍らにあった。祖母や両親、叔父、叔母も彼の国に旅だったが、「金木犀」は、今もこの時季いつもの馥郁とした香りを漂わせている(勉)。

2020年10月 9日 (金)

『生姜の甘酢漬け』

 生姜の甘酢漬け(寿し屋のガリ)を作る季節となった。10年程前、知人にご馳走になった1cm角のサイコロ状のピンク色に染まった生姜は軟らかくてとても美味しかった。生姜の固まりを食したのは初めてであった。八代市東陽町の生姜が柔らかく大きくて味が一番美味しいとの事。早速、東陽町にある東陽交流センター「せせらぎ」に出かけてみた。東陽町は「石橋の郷」としても有名で、「種山石工」は肥後や薩摩の多くの石橋を架けた。町内に多くの石橋が残されており、「東陽石匠館」は石橋の歴史や構造などを展示した記念館となっている。石橋に興味のある人にはお勧めだ。「せせらぎ」は「石匠館」のすぐ近くにある。八代ICからR3を熊本市に向かって進み、R443へ右折し30分程の所にある。私のとって大切な「橋」と「生姜」の東陽町である。

 8月の豪雨災害が発生した地区に隣接しており、生姜の成長が気になったので、連絡してみると被害は逃れたようだ。例年のような大きな生姜が収穫できたと喜びの声だった。毎年、生姜を買い付けに行き甘酢漬けを作るのが恒例となっている。常食効果でしょうか。平常の体温が36度を超えるようになり、夏場の暑さにも強くなった気がする。低体温の人にはお勧めですよ。(勉)