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2018年12月27日 (木)

『ツンとメリー』

 NHK大河ドラマ『西郷どん』が終わった。当時、外国に開国を迫られ幕府も朝廷も混乱の中にあった。薩摩藩も斉彬の登場でそのど真ん中に乗り出して行くことになり、西郷・大久保などが活躍する時代となった。

歴史好きの友人には史実と異なると不評であったが、林真理子という女性の視点で切り込み、人間性が深く表現されていて良かったと思う。『西郷どん』もたくさんの恋があったのですね。

『西郷どん』は、大の犬好きで多くの犬を飼っていたといわれる。健康のために狩をやっていたせいでもあったらしい。その中に「ツン」という甑山犬がいた。

甑山犬は、甑島列島原産の日本犬で、薩摩犬の先祖であるが、イノシシ猟に活躍していた。

 60年程前、下甑島で海岸工事をしていた父が、鹿児島に連れ帰った犬が甑山犬だった。「メリー」という当時としてはハイカラな名前をもらっていた。世話は私がやる事になっていたが、ほとんど母がやっていた。「おすわり」、「お手」などの躾は教えて出来るようになった。「メリー」の仕事は、母の野良仕事のお供(護衛)であった。ある時、どこからか野ウサギを銜えて自信たっぷりな様子で母に見せたそうである。鳥なども良く獲った。また、当時は野犬が多く、狂犬病対策で保健所の車に捕獲された事が2回ほどあった。いずれも、10日程してゲッソリ痩せてふらふらになって帰ってきた。何処に連れて行かれたか不明であるが、何Kmも離れたところに収容されていたのだろう。車で移動しても自分の棲家は臭いで解かるのだと母が教えてくれたが不思議であった。

「メリー」が死んで半世紀以上経ったが、『西郷どん』で「ツン」の名前がでてきて懐かしく思い出した。現在、甑山犬は絶滅したといわれている。(勉)

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