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2020年7月21日 (火)

『思い出の床屋さん』

 「盆と正月」は、父が離島の現場からお土産を一杯持って帰省してくるのが、楽しみだった。

 子供の頃、男の子はボウズ頭が一般的で、母にバリカンで散髪してもらっていた。「盆と正月」だけは、父が帰省中にやってくれるのが恒例だった。だが、父に散髪してもらうのが嫌だった。散髪が終わるとニコニコして「一丁上がり」といってバリカンで頭を叩かれるのである。それが痛たくてタンコブができるのが普通だった。

 子供の頃は、学校の成績が悪いのは頭を叩かれるせいだと本当に思っていた。だから、「盆と正月」は嬉しい反面嫌だった。

 今から思えば久し振りに半年に1回の帰省で、子供たちと戯れるのがよっぽど嬉しかったのだろう。

 今年は、コロナ禍で移動の自粛が求められる可能性が高い。長期出張中の皆さんが、かわいい子供達の待っている自宅に帰れるようにと祈る。(勉)

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