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2020年10月27日 (火)

『金木犀の頃』

 どこからか漂ってくる馥郁とした香りの「金木犀」の時季となった。良い香りのする花木は色々あるが、好きなのはロウバイ、クチナシ、金木犀などで自宅の庭にも植えた。この時季は「金木犀」が最高だ。かすかな香りが風に漂ってくる。幸せがやってくる予感のする香りだ。

 かつて、農家では、子供達も農作業を手伝うのが普通だった。「金木犀」の香りのする頃は、芋掘りや米の刈取りなど一番忙しい頃でもあった。収穫から帰ってくるのを待っていたかのように芳しい香りで包んでくれた。

 実家の玄関脇に植えられている「金木犀」は、4m程になる大木で、樹齢70年以上の老木である。正月やお盆の親戚の集まりには、必ず集合写真の場所となっていた。「金木犀」はいつも傍らにあった。祖母や両親、叔父、叔母も彼の国に旅だったが、「金木犀」は、今もこの時季いつもの馥郁とした香りを漂わせている(勉)。

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