「霜月の銀杏」
通勤途上の繁華街にある天神様。大きなイチョウの木に守られている。秋になると、あたり一面にめぐみのプレゼント、銀杏で覆いつくされる。1億5千年前のジュラ紀の恐竜の好物だったというが、その血が流れているのか、わくわくしてくる。ほろ苦くてほんのり甘い。銀杏中毒ならぬ銀杏大好き中毒だ。翡翠の輝きを想うだけで幸せきぶん。でも皆にとっては悪臭の故に公害。大きな袋でいくつも塵置き場に捨てられていた。早朝に頂戴して引きずって出勤するには重たすぎるし、皆からの総すかんは目に見えている。塵といえども窃盗になるとか・・・もう、そろそろ終りです。天神様、戴いてよろしいでしょう?