『紫陽花の頃』
梅雨は紫陽花の花が美しい。いつもこの時期に思い起こすことがある。
H5、8・6災害。幼い頃の田植え。友人のN君のこと。
あの大災害となった8・6災害は、春先より降雨が続き、梅雨入りと梅雨明けは不明との気象台の発表が秋にあった異常な気象状況だった。春先から続いた雨は、梅雨時期にはさらに激しくなり、毎週末には大雨洪水警報が多く発せられ、その都度、会社待機や現場出動が例年に倍して多く、ほとんど休日は無かった。降雨が続き、土が飽和状態となった8月に大災害は発生した。その後は、調査に設計にと災害対応に追われ、寝る間もなく作業を進めた。若かりし頃の思い出である。
そして、幼い頃の田植えは、毎週末、家族・親戚が集まってする風習があった。親戚の家を代わり番こに回って作業するのである。
田植えの機械など無く、牛と人の人海戦術である。子供は、大人の手伝いで苗や間縄などの道具運搬が主な役目だった。この時は、一人前に扱われ大人と一緒に仕事をするのが楽しかった。そんな中、一番の楽しみは、お茶休みとお昼ご飯である。祖母の作る黒糖のたっぷり入ったフクレ菓子が旨かった。お昼は、木桶に入ったご飯と豆腐とわかめの味噌汁が格別美味しかった。親戚が大勢集まってのお昼ごはん、叔父さん、叔母さん達の楽しい会話が今でも聞こえて来そうである。
紫陽花に、いつも懐かしく思うN君がいる。あの日から8年が経った。あの時、川辺の農家の庭先に置いてあった紫陽花を買い求めた。何年か経ち、美しい花を付けるようになった。花を見て若く楽しかった頃を思い出す。合掌(勉)
「川辺の紫陽花」
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