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2019年10月

2019年10月30日 (水)

『仕事の師』

 仕事や習い事、人生などの「師」について修行して成長するのが、昔からの習わしと考えている。その中で、仕事の「師」は、よく同じ窯の飯を食った縁とか聞く。入社したての頃は、右も左も解からず、ただ上司・先輩の教えに従って作業し、結果的に一部携わって仕事を終える。そして、数年経って、自ら小さい仕事を仕上げられるようになり、半人前の技術者に成長する。その頃から、「師」が必要となるのではなかろうか。

 人生のある時期、寝食を共にしてその業に当たる。技術の先鋒としての「師」の姿があり、常に目標である。しかし、目標に近づくのは容易ではない。常に師の自己改革力が数倍上回っている。時に「師」の考え方と同じであれば、ニッコリすることはあるが、それは幻想である。その技の奥深いところには人間力が加えられ、後からついていくことしか考えられない。「師」とはそのような存在だと思う。(勉)

2019年10月19日 (土)

『いつまでも元気で旅行しましょう。』

 一年振りの前会社のOB旅行会に参加した。11回目となった今回は、高野山、熊野那智の滝、伊勢神宮と聖地を巡る旅であった。旅行会は前会社の上司と部下で構成する互助会で、毎年1回、全国各地を巡ってきた。移動はほとんどレンタカーを使用する。車内では、技術者の性か、仕事の話がほとんどで、昔設計した橋、その経緯や失敗談に花が咲く。一段落すると、現在気になる事、勉強している事、趣味の事、そして病気の事など枚挙に遑無い。私はドライバーで、専ら話を聴く役である。時折、チャチャを入れ話題を変えたり、地図を見たり忙しい。

 元上司のY氏が、素粒子論に発展するととてもついていけない。ほとんど理解出来ない。仕事を辞められた後、散歩と朝鮮語・素粒子の勉強を自らに課していてとても楽しいと話される。「ボケ防止だよ」と言われるが、朝鮮語の会話は理解出来る。素粒子論は難しいらしく結論から言うと解からないらしい。資料を送ってもらい拝見したが、私にとっては、ほとんど理解不能である。

 最近は、持病のある奥様に代わり、掃除、洗濯、料理の片付けなど家事を分担していると言われる。仕事においても家庭においても私たちのよき先達なのだ。

 H氏は75歳になるが、現役の技術者の中では最高齢だと自慢である。趣味は、クラシックギターとお酒である。早朝の入浴と、朝1時間のギターの練習は欠かさないという。酒は全盛期よりかなり弱くなったが、朝の迎え酒が堪らないという兵である。頼もしいが体には気をつけてね。

 ということで、今年も無事旅は終了しました。来年に向けて健康に気をつけて頑張りましょう。(勉)

2019年10月 4日 (金)

『元気にしてますか?』

 久し振りに会って、声を掛けてみると、「家内が一月に急逝した。」との返事。挨拶程度の付き合いではあったが、この時ばかりは時間をかけて話を伺った。「その日、実家の墓参に行き、少し農作業をして帰宅。」、「先に風呂に入り昼寝をしていたが、家内があがってこないので覗いてみると浴槽で亡くなっていた。」、「その後の消防、警察の対応が大変だった」と、堰を切ったように語り出された。

 ある時、散歩の理由を聞いた事があった。「家にいると、家内がうるさくて、けんかになる。」と冗談のように言われた。散歩ついでに、道路のゴミを拾うのが日課らしかった。

 「いつも綺麗にして有難うございます。」と声をかけると「捨てるバカもおれば、拾うバカもいる。だから世の中成り立っている」と言われた。見習うべくゴミを拾おうと思うのだが、大勢の人がいるとなかなかできない。

だが、「ゴミの師匠」が言われるように、バカになってなるべく人のいない公園などのゴミを拾っている。しかし、会社にゴミを持っていけば、「会社は、有料で捨てるのですよ!」と念を入れて言われるが、負けじと拾って来る。

 その「師匠」の姿を最近見かけなくなった。「元気かなァ」(勉)