「映画監督」
映画監督かオーケストラの指揮者が男性の憧れだという話をしてくれた人がいた。
あまたいる映画監督のなかでも新藤兼人さんがすばらしいと言っていた。作品はいうまでもないが、生き方が楽しい。本当は年齢のことは論外だが、あの年齢で、あの年齢だからこそ、超人的に仕事をしたり、じたばたとしたり、最後まで人間らしく生きたい。年相応の穏やかな気分なんてとんでもない。後がないからこそ、やりたいことがたくさんあって焦りがある。美味しいものを食べに行く楽しみをみつけたり、ケンカもして意地はってあそこの家の前は通らないと回り道をするするのだって人間だからこそだという。
知人は、じたばたして生きているようであるが、映画監督もオーケストラの指揮者も憧れのままのようである。(由)