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2020年2月

2020年2月22日 (土)

『生涯一役者、仲代達矢』

 今月の市民劇場は、一昨年以来の仲代達矢主演の舞台となった。昨年暮れのNHKラジオ出演の折、「ペテン師タルチュフ」の九州公演が2月にあると聞いて心待ちにしていた。仲代は88歳の米寿を迎えた。現役役者では最高齢になろうとしている一人だが、軽やかなあの身のこなしや長い台詞には、やっぱり主役が張れる役者だと感動するしかない。舞台の主役は膨大な台詞を覚える必要があり、しかもやり直しが効かない。    

 歳を重ねるにつけ、覚えるのが難しくなるのは、私たちと一緒であると思うが、それに挑戦する姿が素晴らしい。台詞は相手方の分も含めて、全て自ら短冊に筆書きし、稽古場の壁や自宅の居間や寝室に貼りまくって、寝ても、覚めても台詞を口に出して覚えるという。役者は年齢は関係ない、いかに台詞を覚えて、芝居をするかだと。少しでも無理だと考えた時点で台詞も覚えられなくなるのだろうし、舞台は努められない。仲代は台詞覚えが好きなのだろうか。

 90になっても現役の役者でありたいと言っている。いつ観ても若い仲代達矢は、ここに原点があるのだろう。生涯一役者を貫く心意気は素晴らしい。感動しかない。私も見習いたい。(勉)

2020年2月13日 (木)

『日本フィルコンサート』

 クラシックが楽しいと以前書いたが、先日、久し振りに日本フィルコンサートに出かけた。子供達が小さかった時以来だ。当時は、二人の子供連れだったので2階席を予約した。子供達がピアノを習い始めたので先生の推薦もあったのだろう。始まって暫くしたら、何か音がするなと思っていると、だんだん大きくなる。それも二重奏だ。子供達の大きないびきである。皆さんにご迷惑やら恥ずかしいやらで、コンサートどころではない。オロオロしていると、近くの席の年配の女性がそのままで良いと目で合図され、何となくホッとした事を思い出す。それから良い音楽を聞くと眠くなるのは当然であると思うようになった。

 今回は、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲とブラームスの交響曲1番であった。途中、睡魔が襲って来る。いびきをかく程ではないが、心地よくなってきた。昔を思い出し、良い音楽ほど眠くなるのが当然だと再認識した次第である。(勉)

2020年2月 1日 (土)

『ベランダのメジロ』

 毎年この時季に、メジロが会社のベランダにあるジュズサンゴの実を食べにやってくる。今年は、実のつきが悪くアッという間に食べ尽くした。ジュズサンゴは沢山の小さい赤い実をつけてとても鮮やかである。メジロは美味しそうに啄ばむが、人間には毒があるらしい。

 食べ物が無くなっても毎朝やって来るので、ミカンを竹で挿してジュズサンゴの鉢付近にいくつか置いてみた。暫くすると案の定メジロがどこからともなく現れた。落ち着かない様子で、ミカンを啄ばむ。しかも他のメジロは追い払いミカンを全部一人占めしている。

 メジロは渡り鳥で、保護されているので捕獲して飼うことはできないが、餌付けするのは良いらしい。小学生の頃、裏山にメジロ取りに行った事がある。当時、保護鳥だったかも知らず、近所のお兄さんに誘われた。囮のメジロで引寄せ、鳥もちを貼った木の枝を鳥かごの近くに置き、それにメジロが載ると捕獲できる。そして、すばやく鳥もちから外さないと、羽などが絡みつき飛べなくなる。

 沢山のメジロを捕獲できるが、全て持ち帰る訳ではない。メジロの鳴き声には「チー」、「ツリー」、「チョーチ」の三通りがあって、「チー」より「チョーチ」の方が、珍重されていたらしいが、子供達は専ら「チー」しか貰えなかった。時々「ツリー」が捕れたが、近所のお兄さんの物だった。「チョーチ」は聞いた事も無く、捕れなかったので、いまだにいるのか疑問である。

 「チー」を貰って自宅で飼うが、自分の事もまだ出来ないのに、鳥の世話が出来るはずもなかった。昼は外に鳥籠を出し、夜は家屋の中に入れないと寒さで死んでしまう。時々取り入れを忘れたりすると、大変な事になる。気がつくのは大抵、朝。鳥籠が定位置に無い時である。案の定、鳥籠は外で鳥の姿は見えない。底に硬くなって横たわっているのである。

 後始末は母がしてくれたのに、管理できない自分を棚に上げて、八つ当たりをしたような。

 今思えば、勉強する訳でもなく、自然の中を駆け回ったり、テレビやマンガに全部使った楽しい自分時間だったのですね。(勉)

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