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2008年12月

2008年12月24日 (水)

「ぬきんでて花火」

冬の花火に出会った。人出もなく、なんと贅沢なことに独り占め状態である。花火大好き人である。可愛い線香花火から空一杯の大花火まで、いつでもわくわくする。最近の花火はヴァラェティ豊かでしかも感動さめやらぬうちに次々と上がる。小さい頃、5分待ち花火をみた覚えがある。旅館の開業記念とかで、大々的に宣伝、大評判で場所とりもあった程大盛況だった。田舎の川のほとりで、蚊にさされながら待っていると、さほど大きくない打上花火が10発程だった。花火に感動するよりも待ちくたびれて退屈してしまった。ところが、博多の大堀公園の息つく暇もない花火の嵐ですっかり虜になった。今や音が聞こえるだけで走り出したくなる程、何も手につかなくなる。 

出会った冬の花火、穏やかにしっとりとしていた。一番贔屓はスタンダードな橙色の菊物、私にとっては枝垂れ花火。(由)

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2008年12月19日 (金)

「にっこりと日本語で」

昔、北京飯店に泊まったときのこと。翌朝は出発が早い。広々とした部屋でみごとな家具調度品に囲まれて眠りについた。何時だろうかと眼が覚めた。部屋に時計がない。私の時計は日本時間。フロントに行こうと部屋を出て吃驚した。中央階段の大時計の前に衛兵が2人、銃を持って立っている。昼間、信号無視の猛スピードのバスから見かけた道路端の筵掛けの家々と自転車の洪水が一瞬頭をよぎった。ことばはわからないけれども、とにかく会釈。精一杯のにっこりを共通語に何時でしょうか。早朝2時だった。自由に歩くことも写真撮影もままならなかった時代のこと。今年はオリンピックが開催されたんですね・・・(由)

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2008年12月18日 (木)

「なにはともあれ」

毎月、月陰(つきごもり)がある。月がこもって見えなくなる日。

月がこもった翌日は、もう月がたつ。これがついたち(一日)。月は一瞬の休みもなく、こもったりたったり、満ちたりかけたりする。おおつごもりは1年の総決算の日。すべてに感謝、と心のゆとりをもってついたちを迎えられるよう、残る1/27日をいかに変身しようか。なにはともあれ、宿題のおもたせがないように行動。たくさんの化学変化を起こそうかと。(由)

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2008年12月17日 (水)

「凍結する湖」

松本清張氏の小説で長野県大町市にある仁科三湖のひとつ木崎湖を知った。

ちょっとおぞましい事件の舞台になっていたので、どんな湖かと興味を持った。

秋に訪れてみると、周辺の山々の紅葉に霧、そして青空のコントラストが見事な湖だった。夏でも水温がかなり低く、冬は湖面が凍結するという。

こんなに素敵な湖が何故あんなに残酷な舞台になったのかと不思議だった。

湖畔の民宿に辿り着くと、留守の様子。待てど誰も帰ってこない。すっかり日が暮れてから、やっと帰宅した宿の老主人、最近、郵便受けをみなかったなあとのんびりした返事。初めての民宿体験は、寒さと長い待ち時間で始まった。暖かいおもてなしと素晴らしい湖で帳消しになったけれども。同行者はおしゃべりをするうちにすっかり信州弁訛りまで頂戴していた。(由)

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2008年12月16日 (火)

「寺田説」

寒風の中、艶葉に凛と咲く椿が好きである。古人は冬でも光沢のある緑色の葉に霊力を感じたらしい。西欧では「日本の薔薇」とも呼ばれていると聞く。花の散り際については不吉と好まれないけれども、しっかりと観察、分析した人物もいる。「天災は忘れた頃にやってくる」旨の著書のある物理学者で俳人でもあった寺田 寅彦氏は、椿の観察を重ねて科学的なことばを残している。椿はうつ向きに落花し始めても、空気抵抗、重心の位置も関係するが、空中で回転して仰向きになろうとする傾向があり、低い木では、うつ伏せ、高い木は仰向けになりがちである。

落椿に心をとられても、落花の瞬間のことは想いだにしなかった。理系的な花の愛で方もなかなか細やかで素敵。(由)

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2008年12月15日 (月)

「着いてみたら」

世間が忙しい時に優雅に旅をしようということになって、12月の中頃に出かけたことがあった。お天気にも恵まれ、交通の混雑もなく、宿もゆったりと温泉も食事も満足の旅だった。ところが、帰途についた頃から、寒くなりお天気が悪くなってきた。最後に着いた山寺は、あっという間に雪に包まれ、獣の声がして異様な雰囲気に包まれていた。拝観どころではなく、山越えをして帰る予定を急遽変更してUターン。皆、口数が少なくなり、雪模様にパニック状態だった。

里に下りるとただの雨に感謝。世間多忙の折、抜け駆けの休憩の故かと・・・(由)

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2008年12月12日 (金)

「地図にない」

恩師が大の山好き、旅好き、本好きだった。数え切れないくらいたくさんの教えをプレゼントしてもらった。登山は苦手だったが、花鳥風月を愛でながら、そしておやつタイムつきの楽しい山歩きを教えてもらった。頂上でコッフェルで沸かした美味しい紅茶で乾杯、なんて優雅な山歩き。時には、地図にない道を歩いてみようと藪や木々の間を潜り抜け、絶景のえびねの群生地にたどり着いたり、断崖絶壁にでたり、ほこりまみれの顔から新調の眼鏡や帽子が消えていたこともあった。ささやかな冒険の思い出。(由)

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2008年12月11日 (木)

「たちまち虜に」

「ラストダンスは私に」の出番が多くなる季節です。アメリカのコーラスグループ「ザ・ドリフターズ」の曲がフランス経由で日本入りして越路吹雪&岩谷時子コンビで大ヒットでした。素敵なことばの当てられた訳詩にすっかり感動。日本では主役は女性になっているけれども、オリジナルでは男性なんて意外でした。女性を男性に置き換えて曲を想ってみると、主役の男性はフェミニストなのか、それとも女々しいのかと言いたくなってしまう。やっぱり女性が主役の方が日本人の感性に合う。(由)

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2008年12月10日 (水)

「そうだ、お見舞いに」

楽しく読めるあのユニークな新明解国語辞典を梅佳代さんが写真にした。と聞いただけでわくわくして、早速購入した。子供に年配者に動物達と写真なかせの出演者達がどこか可笑しくそして可愛くいきいきとしゃべりかけてくる。すっかり気に入ってお配りまでしてしまった。

最近、高齢の知人が入院した。退屈でなにか読みたいという。楽しいものは、絵本、漫画、花辞典、新明解国語辞典、あった、写真集「うめ版 新明解国語辞典×梅佳代」という次第でお見舞いにお届けしました。表紙の「ライバル」はお孫さんにそっくりの写真だったりもしたので。

でも、感想も反応もないところをみると綺麗な写真集が好みだったかしら・・・?(由)

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2008年12月 5日 (金)

「ぜったい、やまたろう蟹」

小さい頃、やまたろう蟹をよく食べた。父の蟹好きを知っていてよく売りに来ていた。山でどうして蟹が獲れるのか不思議だった。蟹達は、ブリキのバケツに蓋をして閉じ込められていた。ところが、どうやって脱走するのか、土間を這いずり回ったり、つわものは、家の中までやってきていた。バケツの中のゴソゴソする音や、いつのまにか傍にやってきている蟹が怖くて逃げ回った。

でも真っ赤に茹で上がった蟹のみそは最高だった。父に負けないくらいたくさん食べた。

冬がくると「ぜったい、やまたろう蟹が一番だ」と言っていた父を想う。最近、あの上海蟹も仲間と知った。(由)

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